「計画的偶発性理論」をご存知ですか?

あけましておめでとうございます。

株式会社ジェブ、社長の太田猛也です。

 

新年は晴れ晴れと気持ちのよい天気が続きますね。

昨年も我が社はよい業績を収めることができ、今年も幸先のよいスタートです。

プライベートでも年末年始は色々なラッキーが連鎖し、最高に気持ちよく過ごすことができました。

これも多くのお客様とのご縁、お取引様のお力添え、そしてスタッフがみな前向きに頑張ってくれたおかげだと、心から感謝しております。

このムードを大切に、更なる飛躍を遂げられるよう頑張って参りますので、今年もどうぞよろしくお願い致します。

 

さて、

昨年のブログで身近に起こる様々な「偶発性」について少し触れました。

例えば、何か悩み事や困難を抱えている時に、その解を持っている人と偶然めぐり合う。

失くしてしまって諦めていたものが、思いがけないシーンで見つかる。

みなさんもそんな経験をしたことはないでしょうか?

私は最近不思議なくらい、そういった出来事が頻繁に、そして重なって起こります。

旅先で思いがけないビジネスパートナーと出会う、たまたま参加したパーティで出会った方から、強烈なインスパイアを受ける、など、挙げればキリがありません。

「なんて自分はラッキーなのだろう!」そのたび、心の中で叫んでいます。

今回は、そういう偶然の出来事について、論理的に考えてみたいと思います。

「計画された偶発性理論」とは?

 これまで私は、上で述べたような偶然が連鎖する状況に出くわすと、「思考は現実化する」とか「引き寄せ」「セレンディピティ」という、ややスピリチャル寄りの解釈をしていました。

 

ところが最近、「計画的偶発性理論」または「計画された偶発性理論」(英語では” Planned Happenstance Theory”)という理論を知り、私がなんとなくぼんやりと感じていたことが論理的に述べられていると感心しました。

 

この理論は、20世紀の終わりにスタンフォード大学のキャリア理論研究家、クランボルツ教授 John D. Krumboltz が打ち立てたものです。

クランボルツの説を端的に言うと「偶然あるいは計画外の出来事が、キャリアプランニングのプロセスの場を提供していく」ということ。

偶然のように見える出来事が、実は大きくその後のキャリアを左右し、キャリアの実に8割が、偶発的な予期せぬ出来事に左右されるのだとか。

そして、それらは単なる偶然ではなく「計画的」に引き起こされた出来事だというのが、このクランボルツ教授の理論の骨子なのです。

 

「運も実力のうち」という言葉もありますね。

コツコツとキャリアを重ねることも、細かく人生設計を立てることも、どちらも大変重要だけれど、キャリア形成にとって大きなチャンスとなる「出会い」と、その「タイミング」は、最も重要ですよね。

今回のブログでは、この「計画的偶発性理論」について、私らしい解釈を加えながらご紹介します。

「計画された偶発性」を引き起こすために大切な5つの心掛け

計画された偶発性という言葉に、少し矛盾を感じられるかもしれません。

この理論によれば、偶然というものは、日頃の行動や思考の産物なので、そういった意味では理に適った、計画的なものとも言えるということなのです。

クランボルツ教授によると、この「計画された偶発性」を起こすためには、ふだんから大切な心掛けがあるそうです。それが、下の5つです。

Curiosity ― 好奇心が強い事

常に何事にも好奇心を持ち、新たな学習の機会を模索し続けること

Persistence ― 持続性。努力し続けること

少しの失敗で心折れることなく、根気強く努力を継続すること

Optimism ― 楽観性。ポジティブであること

新しい活動を試みれば何か良いことが起こると信じて、積極的に前向きに考えること

Flexibility ― 柔軟性をもつ

こだわりや偏見を捨て、どんなことに対しても先入観を持たずに柔軟であること

Risk Taking  ― リスクを恐れずチャレンジすること

結果が失敗しても、それを「よい経験ができた」と捉え、リスクを恐れず挑戦し続けること

 

以上のような思考回路や行動パターンが染みついている人は、面白いように偶然が重なったり、それによってトントン拍子にキャリア形成できたりして、その結果事業が成功したり人生が豊かになったりしているそうです。

この5つの心掛けは、言葉で伝えると非常にシンプルですが、習慣と言えるところまで定着させるのは、そう簡単なことではありません。人間はラクな方へラクな方へと流れるものだし、すぐに言い訳をしがちだからです。

そう言う意味において、運がいい人というのは、何もせずに単に生まれつき運が良いわけではなく、考え方や行動を変える努力を積み重ねた結果、ラッキーを引き寄せられるような強運体質に改善されたということだと思います。

運も実力のうち。そして運は努力から生まれるということですね。運命だと諦めてしまわず、運さえも努力で手に入れられるなら、誰にとっても平等です。

逆に、もう「俺は運が悪いから」なんて言っていられなくなります。

コツコツとした努力や、小さな判断の積み重ねが、やがて思考回路を変えていき、良い行動パターンが定着。

すると、実にタイミングよく偶然を呼び起こせる運の良い人間になれる。そういうことです。

  

目の前のチャンスを見逃さない勘や反射神経を鍛える

さて、事業を経営するにあたって私は短期中期計画は比較的周到に立てますし、一度こうと決めたら容易に諦めず、愚直にコツコツと実行します。

ただ、長期計画は、かなりアバウトです。

綿密すぎる長期計画のために今現在の動きを止めて大きく手間や時間を割くことに、正直意味がないと思っています。

目標を決めないほうがよいと言っているのではありません。

明るい未来を思い描き、ビジョンを示しつつも、常にアンテナを張って、いま目の前で起こる出来事に常に集中し、チャンスが到来したらパッと柔軟かつ反射的に対応することが重要だと考えています。

頂上を目指すことに変わりはないのですが、どのルートを通ってどうやって到達するかは、時代の流れや人の出会いなど「計画された偶発性」にある程度委ねることがあるからです。

未来ばかりを意識していると、目の前に転がっているチャンスを見逃してしまうこともあります。

とにかく、目の前に起こる現実にしっかり向き合い、問題解決や課題達成に常に全力を尽くすことが、とても大切なのです。

遠い未来ばかりを意識せず「今を生きる」ことが重要です。チャンスは今、目の前に現れるのですから。

特に若い人達には、頭でっかちに考えているだけでなく、行動や体験を重ねることに重きを置いてほしいと思います。

経験を重ねることにより、巡って来たチャンスを決して見逃さない勘や洞察力、瞬時によい判断が下せる能力が自然と磨かれて行きます。

思いがけない展開で目の前に転がって来たこぼれ球を、すぐにシュートを決められるよう、瞬発力を鍛錬をしておかなくては。

日常の小さな心掛けを積み重ねることによって、やがて判断の精度は高まり、判断のスピードも速まるのです。これが財産です。

ビジネスにおいても、日頃の本気のトレーニングによって、スポーツで言うところの反射神経、瞬発力、動体視力のようなものが鍛えられるということです。

それが、計画的偶発性を起こせるかどうかを分ける要素だと言えるでしょう。

転換期に生まれたことを前向きにとらえよう

今は、一昔前と違い、情報技術分野に限らず、世界情勢、経済、文化、それらすべてがドッグイヤーです。

若者には、ダイナミックな時代の変革期の渦の中にいることを実感して、面白がって生きていってほしいものです。

幸運な偶発性をより多く呼び起こせるよう、仕事に限らずプライベートの時間でも「好奇心」「持続性」「楽観性」「柔軟性」「チャレンジ精神」を持ちながら生活してほしい。

社員に対しても、子供に対しても、そうあってほしいと思っています。

私も今でこそ「自分は運がいい人間で、良縁に恵まれている」と自信を持って断言できますが、若いころからこうだったわけではありません。

数えきれないほどの挫折や失敗を繰り返し、試行錯誤する中で、目の前のことに全力を注ぐことの大切さや、失敗を経験と捉える思考回路を身につけるようになり、それから物事が好転していくのを肌で感じて来たのです。

 

2018年は、みなさんもぜひ上の5つの心掛けを意識してみて下さい。

そして、日々目の前のことに集中しているか?一生懸命生きているか?と日々自問自答してみて下さいね。

いつしか、思考回路は変わり、習慣として定着するでしょう。

すると、商談で、プライベート旅行で、飲みに行ったときに、様々なラッキーが起こり、偶然は次々と連鎖し始めます。そして、良いスパイラルに入ったことを体感できるでしょう。

資本主義の長い安定の時代が終わり、転換期が訪れています。「時代のうねり」の真っただ中にいるのを感じます。

保守的で安定志向の人にとっては辛い時代かもしれません。今こそぜひ発想を切り替えてみて下さい。

こんな激動の時代だからこそ、これまでにあり得なかった偶発が頻繁に起こりやすく、ドラスティックな体験ができるチャンスなのです。

貴方にも「計画された偶発性」が次々と起こり、良いスパイラルが永遠に巡り続けますように!

今回もご拝読、ありがとうございました。